1.スプレッドって何?
「スプレッドって何?」と問われたなら、「パンなどに塗る食用の塗り物」と答えることができます。英単語の「spread」(「広げる」「伸ばす」「塗る」という意味)に由来する言葉で、バターやマーガリン、チーズやチョコレートといったさまざまな素材を用いて作られ、ピーナッツバターやミルクジャムなどもスプレッドに含まれます。
似たようなものとして、ジャムやコンフィチュールが挙げられますが、製法はそれぞれ異なります。ジャムは「果実類を、砂糖類や、糖質の一種である糖アルコール、またはハチミツと一緒に加熱し、ゼリー化させたもの」であり、コンフィチュールは「砂糖と果物を混ぜて30分から1時間程度置いておき、果実から滲み出た果汁を煮詰めたもの」です。
また、ディップやペーストも、料理本によっては混同して使用されているほど似ているのですが、製法はやはり異なります。ディップは「チーズやサワークリーム、生クリームやヨーグルトなどの単品か、合わせたものを基本として、レモン果汁やお酢などを混ぜて粘度を持たせたもの」を指します。そして、ペーストは「素材をすり潰して、液体を加えたり濃縮したりして、伸ばせる粘度にしたもの」を指します。
「spread」という言葉本来の意味からすれば、どれも「スプレッド」と言ってもおかしくはないですが、以上のように、細かな違いがあるのです。
2.スプレッドの種類はどのくらいあるの?
スプレッドは素材を決められていないので、さまざまなものを材料として作ることができます。ジャムのように果物を使って作られたフルーツスプレッドの他に、バターやカスタードクリームなどの乳製品、ファットスプレッドと呼ばれるマーガリン、ピーナッツバターやチョコスプレッドなど種子で作られるもの、メープルクリームなど樹液で作られるもの、パテなど肉や魚で作られるもの、と多種多様です。用途も多く、単にパンに塗って食べるだけではなく、ドレッシングにしたり、調味料として加えたり、さまざまな方法で楽しむことができます。
3.スプレッドを選ぶときのポイント
美味しいお気に入りのスプレッドを探す際には、ポイントがいくつかあります。
1つ目は、「素材で選ぶ」ことです。スプレッドは素材の味を生かしたものが多いので、素材の質が味を大きく左右します。素材の産地や鮮度など、どのようなこだわりで作られたものなのかを見て、選びましょう。
2つ目は、「加えられた糖分や塩分で選ぶ」ことです。精製されたグラニュー糖や食塩などで作られたものは素材の味が感じられるすっきりとした味わいになり、精製度がそれほど高くないブラウンシュガーや岩塩などで作られたものはコク深い味わいになります。
3つ目は、「量で選ぶ」ということです。ついつい内容量の多いものを選んでしまいがちですが、スプレッドの中でも特に無添加のものやパテなどは、一旦開封すると傷みやすいものが多いです。美味しく使い切れる量を買いましょう。