スプレッドって何?ジャムとどこが違うの?

◇スプレッドって何?
ジャムの容器などを見ると、『○○スプレッド』という表記を目にすることがあります。「スプレッドって何?」と不思議に思うこともあるのではないでしょうか。

スプレッドとは、「ジャムの定義に当てはまらないモノ」を指しています。ここでいう「モノ」とは、ジャム状のものです。

パンに塗るものを総称して、「ジャム」と呼んでいた人もいるのではないでしょうか。日本農林規格(JAS規格)で、「ジャム」として商品販売するための定義が存在しています。「果物や野菜、花びらなどを砂糖などと一緒にゼリー状になるまで加熱したもの」をジャムと言います。スプレッドとは、この定義に当てはまらないものを指すのです。

身近なものだと、果物が一切使われていない「ピーナッツクリーム」「チョコレートクリーム」「マシュマロクリーム」などがこれにあたるでしょう。また、果物をベースにして作られた「ジャム状のもの」でも、JAS規格の定義に当てはまらなければ「スプレッド」に該当します。例えば、砂糖を使わず、メインとなる果物と果汁のみで作られたものや、果実の含有率が33%未満であるものは「ジャム」に該当せず、「スプレッド」です。普段使っているジャム(と思っているもの)が、スプレッドの可能性もあります。パッケージの「食品表示」を確認してみましょう。

◇ミルクジャムはジャムなの?
「スプレッドって何?」に対する答えは、「ジャムと同じように使えるけれど、ジャムと表示できない食品」です。これを踏まえると、「ミルクジャム」や「プリンジャム」はジャムではないと言えます。食品表示に記された原材料を見ると果物が使われていないため、JAS規格が定めるジャムの定義に当てはまらないからです。便宜上「ジャム」と表記している商品もありますが、食品表示上は「スプレッド」となります。ちなみに、パッケージに記載されているものは商品名であり、分類上の名称を記載しているものではないことを理解しましょう。

スプレッドと表記されているもののなかで、「野菜と砂糖を使っているから、ジャムの表記ができるのでは?」と思われるものも存在します。しかし、果実等の含有率が基準に満たなければ、スプレッドになるのです。味や食感のバランスを考え、あえてスプレッドとして販売している商品もあります。

◇どんなスプレッドがある?
市販されているスプレッドを見ると、その種類は多岐にわたり、たくさんの商品があります。クリームチーズをベースとしたペーストや、プリン風味のペーストなども、スプレッド食品です。また、小倉バターやはちみつバターなど、工夫を凝らした商品なども増えています。瓶入りのものから、パンなどに直接つけるチューブタイプまで、形状もさまざまです。

変わり種としては、トーストすることで違った風味を楽しめるスプレッドも販売されています。メロンパン風味やキャンプで人気のお菓子、スモア風味など、時折パンにつけて楽しんでみてください。

ただし、スプレッドはジャムよりも保存性が落ちることがあります。開封後は要冷蔵で、早めに使い切ってください。