ジャムって何?意外と知らないジャムのすべて

1.ジャムって何?

ジャムとは、果物と砂糖を混ぜ、加熱濃縮して、ドロッとした状態に固めたものを言います。

日本で定められているジャムの定義は、消費者庁により、以下のように定められています。
〇果実などを砂糖類やアルコールもしくははちみつと一緒にゼリー状になるるまでに火を加えたもの もしくは
〇酒類、柑橘系の果汁やゲル化剤、酸味料などを添加したもの

日本では、糖度は40度%以上とも定められていますが、アメリカやヨーロッパでは、糖度60%以上のものがほとんどです。その為、日本では、海外製品よりも甘さが控え目な日本製のジャムが好まれ、流通しています。

ジャムは、ペクチンという果物が持つ成分が、糖分と酸に反応して固まる特徴を活かして作られるようになりました。砂糖が水気を吸着させ、腐るのを遅らせるので、果物そのままよりも長く保存が出来るので、冬にも果物を楽しむための保存食としても知られています。

ジャムとよく似たものにコンフィチュールがありますが、それぞれの歴史をたどると作る目的が異なっていたと言われています。コンフィチュールとは、フランス語でジャムを表す言葉で、「砂糖や酢、油に付けた」という意味を表す「confit」が語源となっています。その為、食材を保存する事を目的として作られたものと言われています。

一方ジャムの語源は「ぎっしり詰め込む」という意味から来ているので、ジャムはぎゅっと詰めて凝固させた状態のものを指します。

これでジャムって何?という疑問は解消されたでしょうか?

2. ジャムの歴史

ジャムの歴史は古く、その発祥は旧石器時代後期と言われています。スペイン遺跡には、人々が自らはちみつを調達している壁画や、そのはちみつを使って果物を土器で煮た跡が見つかっています。果物を長持ちさせる為には,ちみつで煮ていたと認識されており、ジャムは最古の保存食とも言われています。

また、初めてジャムに砂糖が使われたのは、紀元前320年頃と言われています。インド遠征から帰ったアレクサンダー大王が砂糖を持ち帰り、ジャムを作らせたとの記録が残っています。当時砂糖は貴重品であったため、ジャムを口にできたのは、限られた貴族のみで、一般市民にはほとんど出回る事はありませんでした。一般市民にジャムが広まったのは、1096年~1270年に十字軍がオリエント遠征の際に砂糖を大量に持ち帰った事が契機となりました。

また、日本へのジャムの伝来は宣教師によって、16世紀の後半頃に行われたと言われています。日本でジャムを製造したのは、明治10年、東京の勧農局が初めてとの記録が残っています。当時は長野県がジャムの一大生産地で、イチゴジャムをメインに製造していました。明治33年にはジャムパンが木村屋で製造、販売されました。

第二次世界大戦終戦後、学校の給食でパン食が始まり、ジャムも一気に広まっていきました。その後、日本の食事の洋食化が進み、パンとジャムはセットで認識され、日本人にも愛されるようになり需要が増えていきました。