ジャムって何?コンフィチュールやマーマレードとの違いは?

季節のフルーツの爽やかな味わいと香りをいつでも楽しめるジャム。お菓子の材料にしたり、紅茶やヨーグルトに加えたり…と、パンにつける以外にもいろいろな食べ方があります。私たちの食卓に欠かせないものですが、もしお子さんに「ジャムって何?」と聞かれたら、きちんと説明できますか?コンフィチュールやマーマレードとジャムには違いがあるのでしょうか?

ジャムって何?

果物に砂糖を加えてとろみがつくまで煮詰めたものをジャムと言います。ジャムは最古の保存食。その理由は砂糖にあります。食物を腐敗させる細菌やカビは水分がないと繁殖しませんが、ジャムを作る際に加える大量の砂糖が水分を吸収するため、細菌やカビが繁殖できないのです。砂糖の量が多いほど腐敗を抑える力が強くなります。

砂糖を加えて果物を加熱すると、果物に含まれるペクチンが溶けだします。溶けたペクチンは砂糖に吸収されるのですが、その段階でペクチンは網目状になり、ジャムにとろみをつけます。ペクチンは砂糖と酸がないと化学反応を起こしません。ですから、酸が足りないイチゴやリンゴにはレモン汁などを加えて酸をプラスします。

ジャムとコンフィチュールは同じもの?

結論から言うと同じものです。ジャム(jam)は英語、コンフィチュール(confiture)はフランス語です。コンフィチュールとジャムは作り方が違うと説明しているサイトもありますが、基本的には同じです。ただし、ジャムは果物に対して40%の砂糖で煮たものですが、コンフィチュールには明確な決まりがありません。コンフィチュールには砂糖のほかにハーブやリキュールを加えたものもあります。ですが、それも決まりはなく、砂糖だけで煮詰めたものもあるので、ジャムとコンフィチュールは同じものだと考えてよいでしょう。ジャムやコンフィチュールに似たものにコンポートがありますが、コンポートは水やシロップなどで果物を形を崩さない程度に煮たもので、保存食ではありません。

ジャムとマーマレードはどこが違う?

ジャムとマーマレードは違うものでありながら、同じものでもあります。マーマレードはオレンジやレモン、夏ミカンなど柑橘類の果物が原料です。果肉と果汁だけでなく、皮も入れるのがマーマレードの特徴です。このように、皮を使わないジャムとは作り方や原材料が違うのですが、日本のJAS規格では、ジャムとマーマレードはどちらもジャム類と分類されます。ゆえに同じものでありながら、違うものなのです。

ジャムの語源は「ぐちゃぐちゃ噛む」という意味を持つ古い方言の「CHAM」という単語です。現代ではCHAMには「押しつぶす」という意味があります。マーマレードの語源はポルトガル語で「マルメロ」です。マルメロはポルトガル語で「かりん」を意味しています。ポルトガルでマルメロ(かりん)を使ってジャムを作ったことから、マルメロがなまっていつの間にかマーマレードになったと考えられています。