ジャムにして栄養をとる意味はある?

「ジャムは栄養がないし、ただ甘いだけ」だと思っていませんか?煮詰める過程で、果物に含まれている栄養成分は壊れてしまう、と思っている人がけっこう多いのではないでしょうか。ジャムにして栄養をとる意味はあるのでしょうか。

ジャムにして栄養をとる意味はある?

「ビタミンは加熱すると壊れる」と思っていませんか?たしかに、熱に弱い性質を持つビタミンもありますが、すべてのビタミンが熱で破壊されるわけではありません。ビタミンA、D、Eは加熱に強く、煮ても壊れません。水にも溶けないので、ジャムにしてもしっかり栄養が取れます。ですが、ビタミンB1、B2、Cは熱を加えると不安定になり減少します。また、ジャムに含まれる葉酸も熱に弱いので、煮る過程で大半が壊れてしまいます。ですが、ビタミンB類やビタミンCは水に溶けだす性質を持っているので、煮汁もすべて食べるジャムならば、量は少なくなっているとしてもこれらのビタミンを取ることは可能です。

ジャムに含まれる栄養は、ビタミンだけではありません。糖質(炭水化物)、ミネラル、食物繊維なども含まれています。ジャムにしてもこれらの成分は壊れません。また、果物に含まれるポリフェノールも熱に強い性質を持っています。ブルーベリー、いちご、りんごやイチジクなど、ポリフェノールをたっぷり含んでいる果物をジャムにするといいでしょう。たとえばブルーベリージャムに含まれる代表的なポリフェノール成分アントシアニンや不溶性食物繊維は加熱しても量が変わりません。健康のために1日200gのブルーベリーを食べると良いと言われますが、毎日それだけの量を食べるのは大変です。ジャムにすれば、もっと少ない量でもしっかり栄養を摂取できます。

ジャムにして栄養をとる意味はある!

栄養価が低くなるなら、ジャムにして栄養をとる意味があるのでしょうか?答えは「イエス」です。加熱で壊れる栄養成分ばかりではなく、ジャムにすることで新たに生まれる成分もあるのです。果物を加熱すると、糖とアミノ酸が反応して「メライノジン」という成分が作られます。メライノジンは、強い抗酸化作用を持つ成分なので、細胞を若々しくキープする効果があります。抗酸化作用で脂質が酸化するのを防ぎ、血管を健康に保つので動脈硬化を予防できます。また、メライノジンには腸内環境を整える作用があるので、便秘改善に役立ちます。

1日にどのくらいの量のジャムを食べるとよい?

ジャムには栄養があるとはいえ、糖質が多いので食べすぎには注意が必要です。市販されている平均的ないちごジャムのカロリーは、およそ20g(トースト1枚に塗る分)で約50kcal。食パン1枚にいちごジャムを塗って食べると考えると、174 kcal (6枚切り食パン1枚)+50 kcal (いちごジャム)=224 kcalになります。お茶碗1杯分のカロリーは約240 kcalなので、いちごジャムを塗ったトーストの方が、カロリーが低いことになります。食べすぎはよくないですが、この程度ならばダイエット中でもOKでしょう。