ジャムの豆知識!ジャムにして栄養をとる意味とは

◇ジャムは嗜好品?
「ジャムは果物をたっぷりの砂糖で煮込んだもの」という認識を持った人が多いのではないでしょうか。ジャムを嗜好品と位置付けている人も見られます。食べ過ぎると太る、甘すぎて苦手、そもそも果物が苦手など、さまざまな理由からジャムが敬遠されがちです。なかには「ジャムにして栄養をとる意味はあるの?カロリー摂取だけが目的になりそう」といった否定派もいます。

嗜好品と言っても間違いではないのですが、ジャムをおいしく食べて健康効果を目指せることがわかれば、ジャムとの付き合い方が変わるかもしれません。

◇ポリフェノール効果が得られる
ジャムは加熱によって作られるものです。そのため、ビタミンCや葉酸といった、生の果物や野菜から摂取できる成分は含まれていません。

しかし、果物の持つポリフェノール(抗酸化物質)は、加熱をしてもそのまま残されています。ポリフェノールには活性酸素から体を守ってくれる効果が期待できるため、「体の錆び取り」などと言われることがあります。ポリフェノールは果物の色素などに多く含まれており、とくにブルーベリーやイチゴのジャムからは、ポリフェノールをたっぷり摂取できると考えられています。

また、ジャムを作る工程で作られるポリフェノールもあります。果物が持つアミノ酸と砂糖が加熱によって反応することで、「メラノイジン」が発生します。メラノイジンは、褐色反応(メイラード反応)が発生のカギとなります。焦がさないように作るジャムで、加熱によって果物の色が濃くなるという変化もメイラード反応の一種と言えます。メラノイジンには血流改善や細胞の衰えを抑止する効果などがあり、ジャムからの摂取が期待できます。

しかも、ジャムならスプーン1杯程度の量でも、生食の果物数個分のポリフェノール摂取が可能となります。毎日の健康に役立つ成分を1食分のジャムで補えるのはうれしいところです。

◇ジャムで便秘解消も期待!
ジャムにして栄養をとる意味は、この他にも見出すことができます。ジャムのとろみを作る成分である「ペクチン」に着目しましょう。ペクチンは添加物としてもジャムに使われていますが、リンゴやイチゴといった果物にも含まれています。このペクチンは食物繊維の一種であり、お通じを促す立役者としても紹介される成分です。

ペクチンを補うことで、腸内で善玉菌を増やす効果が得られます。また、腸内で水分を含んで、腸の動きも高めてくれます。ジャムに含まれた砂糖にも保水性が認められているため、適度な硬さで排便ができるよう、整えてくれる効果を期待できるでしょう。

◇低カロリーのジャムもおすすめ
なかには「糖分は避けたい」という人もいるでしょう。還元麦芽糖を使って、カロリーオフを実現したジャムも販売されています。1食分(20グラム)あたり、一般的なジャムの約3分の1程度にまで抑えられているのでおすすめです。もちろん、果物が持つポリフェノールやペクチンなどはしっかり摂取できます。